推し活はなぜ楽しい?

自分が好きな物や人物、アイドルグループなどを応援し推奨するいわゆる「推し活」という言葉がメジャーになって久しいですが、なぜこれほど社会的なムーブメントになっているのでしょう。これは人間の脳の構造を考えたら当然の結果と言えるかもしれません。

自身の経験から申し上げますと、例えば野球のメジャーリーグのシーズン中に朝のニュースで大谷翔平選手がホームランを打ったことを知っただけで、とても気分良く出勤できるという感覚を鮮明に覚えています。好きな大谷選手の活躍が嬉しいという感情の背景にはホルモンが関係していて、その活躍をニュースで見た時にオキシトシン、セロトニン、ドーパミンといった幸福感を感じるホルモンが出て気分が良くなっているというメカニズムです。

私は他にもK–POPグループのBTSが大好きなのですが、グループとして活動休止している彼らをいつか日本で観れる日を楽しみにワクワクしています。このように推し活には何の変哲もない生活に幸福感を与えてくれる効果があります。ある意味このネガティブなニュースで溢れかえっている今の日本において人々が前向きになる一筋の光なのではないかとも思います。

しかし、以前依存症の投稿でも書きましたがドーパミンが分泌されているということは推し活も行き過ぎると身を滅ぼす可能性があるということは自覚しないといけません。先ほどBTSの話が出ましたけどそのメンバーであるJIN君のイベントで1000人のファンが本人とハグできる会が開かれ、ガマンできずにキスしてしまった女性のニュースを見ましたが、これは予測できたことだと思います。大好きなJIN君を目の前にした女性が1000人もいればブレーキが効かなくなる人が一人くらいいても不思議ではありません。最近よく聞くホスト沼という言葉はこれの代表的な例かもしれません。自分のお気に入りのホストに貢いでどんどん金銭感覚がおかしくなり借金してまで貢ぐというのはドーパミンの強い中毒性からギャンブル依存症に近い現象が起きていると思われるので、やはり何事も過ぎたるは及ばざるが如しですね。